リビングの片付け方
リビングの使い方はお宅によってまちまちです。 バントレーや家事室、ダイニングに特別収納がない場合、モノはリビングに集まってきます。 洗濯物が占領して、人が座れなくなったソファ。 子どものおもちゃに占領されて、大人の居場所がない。 家族がくつろげる場所というより、なんでも置いていい場所。 こうなっているようにも思います。 少しでも快適になるよう、これからアドバイスを書きます。 |
@ リビングは何をするところか |
リビングで何をしますか? 子どもが宿題をしたり、お母さんがパソコンをしたり、家族で話したり、お茶を飲んだり。 でも、よく考えると、食卓テーブルのあるダイニングでもできますよね。 そんな実用的なことをするより、リビングではゆったり座ってテレビを見て、音楽を聞くなど、のんびりする空間だと思います。 我が家にはリビングがなく、居間があります。 冬にはこたつが出てきて、家族のうたたね場所になっています。 英国ではSitting Roomと言われ、座る場所。 座ってくつろげる場所になっているか、もう一度見回してみてください。 もし、客間がなければ(普通の家はありません)ここがお客さんが来たときに 座ってもらう場所でもあります。 ご依頼時のリクエストに「いつでも人が呼べる家にしたい」 という方が多くいますが、 「いつでも」じゃなくて、「15分あればOK」でいいと思います。 |
A 家族で使うモノを収納する |
家族が共有して使うモノがリビングに集約されていると使いやすいでしょう。 ・かぜ薬や絆創膏などの薬類 ・爪切りやマスクなどの衛生用品 ・ボールペンやノリなどの文房具 ・ドライバーやちょっとした工具 我が家では毎日のハンカチやティシュ、冬のホッカイロなどもリビングに置いています。 場所も決めて使っているので、家族の誰かが聞くこともなく便利です。 その他にも、毎日お風呂上がりに使う綿棒もここにあるので、お風呂上りは皆が直行します。 家族皆で使っているモノに何があるのか考えてみてくださいね。 |
B 家族の私物は厳選して |
洋服や持ち物、鞄など私物がどんどん増えてしまうと収拾がつかなくなってしまいます。 かといって、毎日使うモノをいちいち自分の部屋に持って行くのも面倒。 そんなときは「引き出し1つ」くらいの収納を、各自に許してはどうでしょうか。 例えば、ご主人の持ち物や財布、電話、手帳、時計など それくらいのモノが入る場所を提供してあげると、意外に片付けるものです。 私物はどうやって移動させるか。 2階建ての我が家は、個人の部屋が2階です。持って上がってほしいモノを階段に置いておき、部屋に向かうとき、ついでに持って上がるようにしています。 大量にモノがあるときは、かごに入れて「持って上がって」と渡すと、確実かつスムーズです。 |
C 散らかるならテーブルよりチェストを |
テーブルが大きいと色々なモノが集まってきます。 このテーブルが「散らかる元」になるため、 「リビングのテーブルはなくてもいいのでは?」と思うことも。 リビングを片付けたいならチェストを買って、「家族共通で使うモノの収納場所」を作った方が片付きます。 我が家では、引き出し付きのチェストを1人1つずつ割り振る工夫を。 それぞれの私物は、自由に入れていいことになっています。 私はこの引き出しに、化粧ポーチ、名刺、毎日の腕時計、資格カードなど入れています。 顔を洗うときに取り外したアクセサリーが入る場所です。 「リビングが散らかるな」と思ったら、家族がさっとしまえるところがリビングにあるか、もう一度見まわしてください。 以前伺った家では、チェストにご主人のマンガ本が大量に入っていました。 本来チェストにしまうべきモノが、キッチンカウンターやテーブルの上に出しっぱなし…。 リビング収納にマンガ本を入れるのは勿体ないです。 |
D 棚収納は飾り棚と思う事 |
棚収納を提案されるお客様は、ホームセンターや無印良品、インテリアカタログで見て憧れます。 しかし、あれは空間があるからこそ綺麗なのです。 棚収納にするなら「飾り棚」と割り切るくらいのモノの量に抑えなくてはなりません。 リビング収納なら少し気持ちの余裕を持って、「魅せる空間」を作るのもおすすめです。 この場所は、季節によってインテリアを変えて楽しみましょう。 |
E リビングで子どもが遊ぶ・勉強する場合 |
まだ小さなお子さんがいる家庭は、リビングにおもちゃがあることでしょう。 おもちゃコーナーもリビングの1か所にまとめ、「使いやすく・戻しやすい工夫」が必要です。 自由な発想で遊ばせたいとは思いますが、ご飯の前や寝る前、出かける前には片付けてほしいのが本音。 ということで、ここも子供が管理できる量に厳選しましょう。 持っているだけ置いていても、子供には管理できません。 カープファンなら、 『リビングのおもちゃは1軍、あまり使わない2軍は子供部屋』 という説明はどうでしょうか。 『リビング(ダイニング)で勉強する子どもは成績が上がる』と言われています。 ゆるい緊張感がいいとも言われますし、親が用事をしているときに勉強する方が捗る、少しの雑音があったほうが集中する…などの理由からです。 しかし、家族がテレビを見ていては効果ありません。 リビングに子どもの勉強道具がある家も多いでしょう。 小学校を卒業するまで、ランドセルまで置いている方も。 また、自分の習い事や学校の役員、家で仕事をするお母さんは リビングに収納場所がほしいと願っています。 大切なことは、『すべてを置かない!』『一か所にまとめる!』ことです。 子ども部屋ではないのですから、学校で使っている勉強道具や 使用頻度が週1回以上のモノを置きましょう。 お伺いしたお宅でも、子どもの図鑑や作品集、賞状など、すべてのモノが置いてあり 大きな縦長の本棚を圧迫していました。 使っている学用品だけに厳選し、コンパクトにすること。 リビングダイニング周辺にいい収納場所を確保し、床置きにならないようにしましょう。 |
F 狭いのでソファは無理なら低めダイニングテーブルがおすすめ |
ダイニング+椅子、テーブル+ソファなど、狭くて両方置けない場合もあるかと思います。 そんな時は低めのダイニングテーブルでOK。 一般的なダイニングテーブルは70〜72センチ程度ですが、低めのものだと65センチくらいです。 椅子もその分低めで、家族の食事だけでなく、来客時にお茶を飲みながらお話しもできる「リビングテーブル」の雰囲気を併せもっています。 |
G まとまってすっきり見せるコツ |
リビングは家族がくつろぐ場所でもありますが、お客様が来るところでもあるので、すっきりとおしゃれな見せ方をしたいですよね。 ・家具は低めを選ぶ 背の高い家具は圧迫感があります。 低めの家具に統一してみると、落ち着いた雰囲気になりますよ。 以前我が家は、高さ180センチ、横幅120センチくらいのテレビ台にしていました。 低めの収納付きテレビ台と腰高のチェストに変えたところ、背の高い家具がなくなったことで、大変落ち着きました。 ・カラーは2色から3色 好きな家具に合わせて2色から3色にまとめてみましょう。 ・テイストを合わせる ナチュラル北欧調の家具にメタルラックは違和感があります。 モノトーンをベースにした都会的な家具に、白木のアームウッドのソファもマッチしないでしょう。 差し色で目を引くポイントを加えてもいいのでしょうが、数が多くなってはまとまりのないリビングになってしまいます。 ・目を引くチャームポイントを一つ グリーン、壁のオブジェ、お花、気に入った雑貨、インテリアなど、部屋に入ったときにパッと目を引くものがあると印象がまったく違います。 趣味の小物などを飾りたい方は、1か所に集めてみるのもいいですね。 ・見せたくない時はシェードで隠す 収納がなく棚を置いた結果、見た目はゴチャゴチャ感満載…。 そんなときはタペストリーと割り切って、好きな布で隠したり、テイストや部屋の色にあったシェードで隠すのもGOOD。 |
H 今、散らかっているならどう片付ける? |
今、あなたのリビングが散らかっているならどこから片付けますか? ・まず、本来の場所が決まっているモノを移動 洋服はクローゼット、読まない雑誌は資源ゴミ、書類はフォルダ、子供のおもちゃはおもちゃ箱に…。 このように、本来の決まった場所に戻していきましょう。 少しモノの量が減ったはずです。 ・リビングにある収納場所の中から整理 リビングにある作り付け収納でも、チェストや棚などの収納家具でも モノを入れている場所から整理していきましょう。 中味をざっと取り出し、使っていないモノは場所を移すか、 リサイクルショップ・誰かにゆずる・捨てるなどして空間を作ります。 残したモノはカテゴリーに分けていきましょう。 薬、衛生用品、文房具、おもちゃ、勉強コーナーなど、グループで分かれていくはずです。 家族全員が週に1度も使わないモノがあれば移動しましょう。 |
ま と め |
リビングには何があると便利か、いま一度考えてみてください。 「家族が共通で使い、ほぼ毎日使うモノ」があると便利なのがリビングです。 ちょっとだけ、「その人だけのモノを入れる場所」も作ってあげると、出しっぱなしにはなりません。 「ダイニングはいるけど、家族みんながすぐに部屋に行くので、リビングはいらない」 と言った友人も。 考え方としては、「それもあるな」と思いました。 仲が悪いわけではなく、家族がみんな成人し、共通の場所はダイニングでいいという意味かもしれません。 お客様を迎える場所。 家の中心のお母さんがいつもいる場所。 無防備にうたた寝できる場所。 自分の家のリビングがどんな場所になって欲しいか、考えてみてください。 |