遠方に住んでいる老親の引っ越し・片付け
広島に老親が住んでいて、子供たちは関東など離れたところに住んでいる。 高齢になったので自宅を売却し親は高齢者住宅に引っ越すことに…。 家を明け渡すまでの片付けから引っ越しの手配を手伝ってほしい。 しっかりはしていても、長い間住んでいる家の荷物はとても多く、片付けるのは大変な事です。 また、引っ越しの準備も大変です。 ご依頼頂いたAさんの例を挙げながらご依頼を頂いてから、引っ越し、片付けまでの2か月間を書いてみました。 |
A様のご依頼のメール |
高齢の父親が、長年住み慣れた広島の家を処分し、3月末に長男夫婦の住む神奈川の高齢者用マンションに転居することになりました。 引越しの荷物整理等は、これから自分でやるつもりのようですが、 子供の私からすると、ひとりで片づけ等が出来るのか、とても心配です。 かといって、私も離れて住んでいるため、何の手伝いも出来ません。 ついては、貴社に父親の片腕となっていただき、いろいろアドバイスを頂戴しながら、荷物整理等をお手伝いいただけないかと考えた次第です。 近々実家に帰省するので、急で申し訳ないのですが、もし可能であれば、その時にでもご相談出来れば幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 |
@ 子供の不安とお悩み |
・遠方で、時間がなかなか取れない |
家を売却したり、引っ越しの手配をしたりどうしても打ち合わせなどに時間がかかります。 関東など遠方にお住まいだと、休みが取れる時と相手側の指定する日が合わないとなかなか進まない事が多いのではないでしょうか? 家を売却予定なら不動産業者とのやりとりで相当時間も割いておられるはず。 引っ越し先との契約もあるでしょう。 その後の片付け引っ越しまでは時間の制限もあるし、思うように休めないのが現実です。 ご依頼頂いた息子さんも、初めてお会いした日は帰省した1日の間に不動産屋さん、おひさまサービスとたくさんの打ち合わせを行っておられました。 |
・交通費がかさむ |
距離的に近い方はあまり問題無いと思いますが、 関東にお住まいだと広島、東京間新幹線を使えば4時間で約3万円。 飛行機もホテル込みのパックなら意外に安いですが、 飛行機代だけだと反対に高くついたりします。 |
・電話で本人と話しても、「自分で出来る」と言っているが少し不安だ |
まだまだ自分はしっかりしている、子供が心配しなくても、ちゃんと出来る。 お手伝いしたAさんは80後半の方で、カクシャクとして、記憶力も素晴らしく、一緒に作業していても本当にジャッジも早く、お聴きすると返答も早い。 ただ、それは直に顔を見ながら、ゆっくり、実物を見ながらご説明したりお話ししたり出来るからだったりします。 実際、耳が遠く電話でのやり取りだと相手の話が少し聞こえにくかったりされているのが、ご家族も心配されておられました。 |
・見積もりなど立ち合って無いのでちゃんとできているだろうか |
私がお伺いする前に引っ越しのお見積りが1社来ており、見積り78万円で決まっていました。 当社がコンサルに入らせて頂き、別業者の相見積もり、日程を少し変えて交渉する事で36万円と大分お安くなりました。 若い方なら当たり前にすることでも、高齢者の方は「来てくれた人に悪いな」 また、同じことを何度も他の業者に伝えることも面倒になってくるのです。 コンサルが入ればそんな、色々な交渉も任せてできます。 その後の、古美術、リサイクルショップ、片付け業者も同様です。 |
松本からA様へ |
A様 昨日はありがとうございました。 高齢とはいえお父様も大変かくしゃくとされておられます。 御本人のお気持ちを大切にしながら引っ越しまでお力になれたらと思います。 今後のスケジュールを簡単に共有しておきたいと思います。 1月26日 古美術商同行 10時からお父様の体調を見ながら 主に書類があるような場所を選別 家具や備品に『神奈川行』『廃棄処分』等の印を付け お引っ越しの準備 作業ご報告のメールをお送りいたします。 次の予定もその時合わせて打ち合わせさせて頂きます。 |
・高齢の親一人で疲れないだろうか、 思い出のものの処分も一人で寂しく無いだろうか |
今より大きな家に行く方はいません むしろ、今より小さな狭い家に引っ越しするのですから処分しなければいけないものもたくさんあります。 引き出しや戸棚を見直しているとひょんなところから懐かしい思い出のモノが出てきます。 写真を見ながら話をお聞きしたり、家を建てたときの思いなど、趣味の絵などのお話も聞きながら楽しく作業が出来ました。 Aさん宅へは開始から片付けの日まで延べ日数で10日ほどお伺いしています。 お疲れにならないように「今日はこのサイドボードの中の見直しだけをいたしましょう」と区切りの良いところで終えて、2時間で帰ることもありました。 |
松本からA様へ |
A様 お世話になっております 広島も毎日寒く今日も雪がちらついております 2月1日(午後1時から3時間) 2階の各部屋の引き出し戸棚、1階のカウンター回り 2月6日(10時から3時半) 電話台下引きだし、玄関横納戸、2階机の上の小物 を主に行っております。 戸棚の中、引き出しから 現金なども見つかったので お父様と「これは一つずつ見ないといけないね〜」 と思わず笑いました。 持って行くものはダンボールに少しずつ入れておりますが サイドボードやローボードなど持って行く家具に入っていたものは 引っ越しまでに使われる事もあるので 「要る」と言われたモノはそのまま戻しています。 引っ越しの前の日にダンボールに入れます |
A 親の不安とお悩み |
・片付けを一人でしていると迷ってしまうモノがある |
書斎のモノのジャッジをしている時、家庭用複写機を見て 「これは、もって行こうかな〜」 「Aさんパソコン用のプリンターがあるので、無くてもいいと思いますよ。それにこれくらいの大きさだと、大型ごみになるので向こうで処分する時が大変です」 パソコンの処分はどうしよう。中のデータなんかも消したいし…。 HDDのデータは取り出し、ガツンと物理的に破壊させて頂きました。 一番安全なのはメーカーに返送することです。パソコン機械の方は購入したときにすでにリサイクル料金は支払っているので私の方から返送しました。 |
・廃棄業者に全部頼む前に、買取してくれる所があれば売りたい |
Aさんは絵がご趣味でした。 ご自分で書かれたものも、また作家ものもありました。 趣味の良い丁度品などもあり、そのまま、全部捨てるのはためらいがあります 売れなくても捨てるくらいならただで誰か使って欲しい そんな気持ちも大切にしたいです 古美術の方をまずはご紹介し、小さなモノを買って頂きました。 その後、リサイクルショップの方に、家具など見て頂き、残りを廃棄でお願いしました |
・引っ越しに当たって色々な手続きができるか不安 |
引っ越しにはさまざまな手続きがあります。 電器、水道、ガス、新聞、インターネット、電話、有線テレビ・・・ もちろん電話で手続きできますが 電話の声が聞こえにくかったり、言っている事が分かりにくかったりするので 間にコンサルが入って手続きしました インターネット、電話、ケーブルテレビなどがセットなっている場合は手続きが大変です。 また、契約に年数の区切りがある場合などもありますので、違約金が発生する場合もあります 残りの金額がどうなるか、最終は転居先の住所に領収書をお送りするなど、こまごました事も発生しました |
・モノを運んだり、体力的に出来るのか不安 |
高い場所のモノを出すこともありますし、食器なども以外に重いモノです 作業中にけがをしては元もこもありません |
松本からA様へ |
A様 おひさまサ―ビスの松本です 本日は 電気、ガス、新聞、水道、太陽光(メンテナンス)、NHK の引っ越しの手続きをしました。 最後の引き落とし分については領収書を新住所に送るように手配しました。 また、引っ越してからの連絡先を念のために教えて欲しいと言われましたので ご長男様にしております。 (電話番号はお父様が教えて下さいました。) 次回は2月27日10時にお伺いし、1階のゴミ置き場のごみを出します。 3月の法要が終わってからキッチン周りと寝具類は行いますので よろしくお願い申し上げます。 |
A様からのメール |
本当に、ありがとうございます。 単に荷物の片付けだけに留まらず、PCの処分や諸契約の解約手続き等 細かいところまできめ細かく、丁寧にフォローいただきお陰さまで当方は、遠方にいても安心して見ていられます。 逆に、これだけの作業を、父親が独りでやろうとしていたかと思うと、 正直ぞっとしてしまい、松本様にお願いして、本当に良かったと思っています。 これからの時代、私共の家族同様、離れて住む高齢の親の生活をサポートできず 心配する子供たちがどんどん増えていくことでしょう。 そんな時に、松本様のような方が、部屋の整理・片付け等を通して、 時折生活状況を見守ってくだされば、どれだけ助かるかわかりません。 そんな社会的意義の高いお仕事に携われ、ご苦労も多いことと思います。 父とコミュニケーションを取っていただくにしても、想像以上のご苦労があるものと思われます。 本当にお手数をお掛けしますが、どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。 |
B コンサルから引っ越し家財全廃棄まで |
まずは、日程調整に少し時間がかかりました 2か月の間に親せきのご法要が2回予定されていました 行事との兼ね合いもあります 引っ越しの広島は私が立会いますが、転居先は御親戚の皆様が立ち会われるのでその日程と、今年は「引っ越し難民」と言葉が生まれたようになかなか希望の日時通りにはいかない事もありました 引っ越し業界は大体3月15日から4月10日くらいまでが繁忙期、値段もグッと高くなります 繁忙期以外なら大丈夫かと思っても、時期をずらして少しでも安くしたいと思う方も多く、意外と混んでいます 一番初めにしたことは、家の中のモノに「新住所」「処分」「家に残す」と全てのものにシールを貼っていくことです 引っ越し業者の方に来ていただき、持って行く荷物の量もわかります 廃棄の方が来ても同様です。 見積もりする時も、実際の作業の時も間違いがないようにできます 誰かが何かの度にAさんに聞く必要もありませんし、他の家族の方が引っ越しまでに来られた時もわかります これ持って行くの?行かなくてもいいんじゃない?などの会話もあったようでした 本人さんが迷われていたので「ご家族に判断お願いします」と大きくシールを張って置いたら 「処分してください」と書かれいたりもしました 新居の図面を見ながら、家具の長さを測り、入る家具なのかどうか見極めて行きました 引っ越し10日前に家の行事があり、息子さんやお孫さんが来られる事になっていたので、それまではあまりダンボールの梱包はしていません 人が来たとき、段ボールが積み重なっていると圧迫感もあります ご家族としては、最後の我が家でみんなが揃う日、あまりいつもと違っていてはさみしすぎます お集まりの日までに大量に出ていた処分品は1度撤去しています |
A様からのメール |
前置きが長くなりましたが、家の片付け状況について・・・ リビングや寝室等、これまで生活していた空間は、ほとんど変わっていない状況を見て、 兄家族も私も、正直、大変驚きました。 松本さんからは、事前に、 「あまりダンボールで一杯ですと、圧迫感もありますのでそのままになっているなと思ってもご心配なさらないでください。 (要るか要らないかの判断は済んでいますので)」 と伺っており、その時はあまり実感がなかったのですが、実際に現地を見て、 「なるほど、プロの片付け仕事というのは、こういうことなんだ!」 と、改めて感服いたしました。 そういった松本さんのご配慮のお蔭で、リビングのテーブルを囲んでみんなで食べる最後の食事(と言っても、いつものお好み焼ですが・・・)も、大変思い出深いものとなり、 記念に撮った写真も懐かしいいつもの家の光景を捕えることが出来ました。 そんな感じで、この週末は、家族水入らずで、最後の広島の思い出を刻んで参りました。 もし、普通に引越準備をしていたら、我々はとても家には泊まれなくて、広島の最後を外のホテルで過ごす味気ないものになっていたことでしょう。 松本さんには、改めて感謝申し上げます。 本当にありがとうございました。 |
行事が終わってから、引っ越し前日までは、書斎などにある使わないモノから梱包していきました。 サイドボードに入っていたモノは、向こうでもそのままその引き出し、扉に仕舞って頂くように ダンボールに「サイドボード上から2番目の引き出しへ」など具体的に書き込みしました。 高齢の方は場所が変わると分からなくなる方もおられるので、 新居でも同じように使って頂きたいからです。 引っ越し前日はスタッフ4人で本格的梱包です。 冷蔵庫は持って行くことになっていましたので、中を全部だし、中の部品もきれいに洗いました。 コンセントは引っ越しの前の夜には抜いておかないといけないので、夕飯後抜いておかれるようにお願いしました。 引っ越し当日はその日の朝まで使っていたものを梱包し、今までのダンボールをガムテープで留めました。 それまではまだ、オープンにしています。 何があったか見たくなった時、もし要るモノがあったら困るからです。 引っ越し業者が来たときは、作業員が6〜7人、大きな家を一斉に人が出入りするので、荷物の間違いがないかどうかをチェックします。 持って行ってないモノがあっては大変です。 引っ越し当日に当社はスタッフ4人で対応 翌日はリサイクルショップの方が来られ買い取り、そして家財の片付け、私達スタッフも4人で物がなくなった場所を掃除、くぎなど全て取り除き、家の周りを掃いて掃除しました。 最後にお礼のメールと今回メールのやり取りの一部をホームページに掲載させて頂くことの依頼に対しての返信メールを掲載させていただきます。 最後に一緒に取った写真は、私達スタッフの宝物とし、ここでは掲載しておりません。 |
松本からA様へ |
A様 おひさまサービスの松本でございます。 お父様もきっとお疲れのことでしょう。 昨日にも増して引っ越しの緊張とさみしさの混じったお気持ちで、今は新幹線の中で安堵されていることと思います。 明日、最終確認でごみの残りなどがないか、ご自宅まで行って確認しておきます。 この度は弊社スタッフもよいお仕事をさせていただき大変喜んでおります。 みんな、お父様のファンになりました。 A様からおいしいお菓子までいただき、恐縮するばかりです。 どうぞ、新居でもお元気でお過ごしされますこと、広島でお祈りしております。 |
A様からのメール |
我々と同じように、離れて住む老親のことを心配されているご家族の方は、 今のご時世、たくさんいらっしゃるでしょうし、これからも益々増えてくると思います。 そんな中、貴社が担っておられる片付け・整理サポート作業は社会的にも非常に価値あるものと考えております。 ですので、それをもっと広く、他の皆様にも知っていただくことは、大変意義深いことだと思いますし、もしも我々家族の事例がその一助となるのであれば、それは誠に光栄な話であり、嬉しく思います。 P.S. 遅くなりましたが、引越作業の最後に、父が貴社の皆様と撮った写真を添付しておきます。 5人とも、大仕事をやり遂げた後の、 充実感溢れるいい表情をされています。 |