なぜ部屋が片付けられないのか?
はじめに
整理収納アドバイザーの松本です。 「うまく片付けられない・・・」とお悩みではありませんか? 「どうすれば片付くの?」と考えることもありますよね。 私はこれまで、片付けを苦手とする多くの方と出会ってきました。 私のセミナーや講座で『片付ける方法』を知り、自ら片付けに取り組む方。 実際に『当社の片付けサービス』をご依頼いただき、プロと一緒に片付ける方もいらっしゃいます。 「使いやすい収納にしたい!」 「もっと、いい方法を知りたい!」と、プロの収納やアイディアの提案を望まれる方。 うまく収納できず、長い間ストレスを抱えたまま暮らしてきた方は 「どうにかしてこの生活を克服したい」という思いでご依頼いただくこともあります。 さらに深刻な「ゴミ屋敷から脱出したい」と、心から願っている方にもたくさん出会いました。 ここまでをご覧になって「自分と同じようだ」と思ったのなら、これからご紹介することは「きれいな部屋作り」のヒントになると思います。 これまで、たくさんのお客様が私に感動を与えてくださいました。 短い時間の間に葛藤から決断し、生活を変えていかれた方々へ。 そして、同じような悩みを持つあなたのために。 今回お話するのは、片付けの苦手な人の「特徴や心理」や、自分ではどうしようもできない「片付けられない個性」など。 また、「どうすれば片付けられるようになるのか」を、これまでの私の経験や実践を通して分かったことから、具体的にアドバイスします。 片付けられない原因や上手な片付け方を知れば、あとは最初の一歩を踏み出すだけです。 |
原因と対策 1:片付ける目的・目標が決まっていない
@片付けには目的と目標があったほうがいい |
片付けに目的は必要だと思いますか? 「片付けたいから、片付ける」 「片付けに目的なんて大げさだ」 そう考える人がほとんどでしょう。 しかし、目的が曖昧なまま部屋全体を片付け始めても 「ある程度片付けたから、もういいか」 「少しゆとりの場所ができたから、まっいいか」 と、途中から疲れや諦めが生まれ、どうでもよくなってくることがあります。 目的を決めるときは、以下の3つについて考えてみてください。 ・どんな部屋にしたいのか。 ・どんな暮らしにしたいのか。 ・どんな自分になりたいのか。 例えば、 「部屋が散らかっていることでイライラしたくない」 「帰ってきたら当たり前に片付いている家にしたい」 「人を呼んでくつろげる家にしたい」 「人生変えたい。私でも“できる”と自信を持ちたい」 などの漠然とした目的なら、きっとすぐに思い浮かぶはずです。 次は漠然と思い浮かべた目的を掘り下げて、さらに具体的な目標を持ってください。 具体的な目標が決まると、『やるべきこと、やる場所』が見えてきます。 「玄関やキッチンは、いつもきれいにしておきたい」 「お気に入りのリビングボードには、好きな写真だけ飾りたい」 「脱衣所では、さっとタオルが出せるようにしたい」 「どこに何があるか、すぐ分かるようにしたい」 具体的な目標が明確になれば、 理想(=雑誌のような素敵な部屋にしたい)と 目の前の現実(=床の隙間が見えないほどモノが散乱している)を比べて、 これから何をすべきか分かってきます。 片付けながら、懐かしい写真を見つけては物思いにふけたり、昔の雑誌を長時間読み続けたりすることはありませんか? 目的が曖昧であるがため、意識が他のことに移ってしまうのです。 「今日はこの部屋の押し入れをすべて片付けるぞ!」 と具体的な目標を持って片付け始めれば、すいすい進んでいくのです。 目的・目標を持って片付けることは地味ですが、じつは1番大切なこと。 実際のお客様も具体的な目的・目標が見えている人はスピードが速く、片付いていくたびに感動され、次へ次へと進むことができます。 |
Aやりたい事を紙に書き出してみる |
「目標作りって難しいな」と思っていませんか? そんなときは「気になること、やりたいこと、理想の形を」具体的に書き出してみましょう。 誰かに見せるものではないので、ルールはいりません。 大きいことや小さいこと、すぐにできること、お金がかかることも全部ごちゃ混ぜでいいんです。 ・押し入れの要らないモノを捨てる ・廊下に出しっぱなしの服を洗う ・冷蔵庫の賞味期限切れを処分する ・着ない洋服をまとめてリサイクルに持っていく ・気に入ったソファーを買う ・ベッドの位置を移動する ・溜まったダイレクトメールを捨てる ・ほこりをかぶったポストを拭く 上記のように書き出したら、すぐにできそうなところから優先順位をつけ、実行後は消していきましょう。 ここまでで、少しずつ目標が明確になってきましたね。 |
B本を読むなら1冊を目標に真面目に取り組む |
片付けの苦手なお客様の家に行くと、片付けの本がたくさん置いてあります。 あなたは何冊持っていますか? じつは、冊数と散らかり具合は比例します。 洗剤の多い家も同じような現象があるので不思議です。 みなさんもご存知とは思いますが、世の中には多種多様な片付け本が出ています。 近藤真理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』 やましたひでこさんの『断舎離』 マンガ本なら池田暁子さん『こんどこそ!片付ける技術』 当社には、もともと片付けが苦手だったスタッフがいますが、マンガ本で片付け上手の片づけ好きになったことがきっかけで、仕事にした人がいます。 マンガのキャラクターが自分に似ているとマネしやすいようです。 自分にとって始めやすい方法や、読んでいて納得できるやり方、感動した本の通りに実践してみましょう。 ただし、これから書くことだけは気をつけてください! たくさんの本を読み過ぎるとあれこれ迷って、結局読んだだけでやった気になってしまいます。 まずは1冊だけを参考にしてくださいね。 途中で違うなと思ったら、いったん止めて次の本の通りにしてみましょう。 |
原因と対策 2:モノが捨てられない
なぜモノが捨てられないのでしょうか。 あなたはモノを捨てられますか? |
@もったいなくて捨てられない |
『もったいない』の気持ちが原因で、捨てられない方が多いと思います。 例えば洋服だったら 「自分や誰かがまた着るかもしれない」 「買った時高かったのよね」 「まだ1回しか着ていないし元が取れてない」 『もったいない』と思っていても、自分を苦しめ、片付けを邪魔しているのがそのモノたちです。 部屋の収納スペース以上にモノがあれば、当然溢れて出てきます。 必要なモノだけで暮らせば、管理も楽ちん。 捨てるという行為は、片付けの目標に向かう最初のハードルです。 最後までやりきる方は、最初の目標を何度も思い起こしながら 「捨てるかどうかのジャッジ」をされます。 一つ一つ迷いながら、手を止めながら、 「これをしないと現状は変わらないわね」 「迷っていては駄目ね、きれいになったら今度は好きなのを買うわ」 と、私や自分自身に決意を話しながら決断するのです。 |
Aモノへの「想い」が捨てられない |
「思い出があって捨てられない」。 これは、モノが捨てられないのではなく、モノへの思いが捨てられないのです。 子どもさんが成人され家を出て行かれていても、小学生の頃のプリント類が捨てられないお客様がおりました。 作文や絵、テストなど、どれも捨てきれず、ダンボール20個くらいになっていたでしょうか。 充実していた、主婦や母として過ごした時間。 子どもたちは大人になったのに、1人その場からなかなか離れらないようでした。 新しい生活をされることになったとき、私に「松本さん、あの段ボールを処分します。手配してください」と、明るい声と晴れ晴れとしたお顔で言われた時、また人生が前に進んで行くのだと嬉しくなりました。 手が使わなくても心が使う。 それが『思い出』です。 思い出は昔に留まるモノではなく、未来の自分を元気づけて応援してくれるモノのはず。 重要なのは量ではありません。 思い出は厳選して傑作だけを残しましょう。 写真や作品、趣味、旅の思い出たち。 何でも取っていたのでは、傑作の価値も半減してしまいます。 |
B人に貰ったモノが捨てられない |
人に貰ったモノが捨てられないあなたは、きっと優しい方なのだと思います。 しかし、そのモノがあなたを嫌な思いにさせているのなら、相手は心を痛めることでしょう。 反対に、あなたが買ってきたお土産品を友人がそんな気持ちで持っていたとしたらどう思いますか? 「どうぞ捨ててください」と言っているのではないでしょうか。 「ありがとう」と心からそう思って貰ったのなら本望でしょう。 捨てる時も「ありがとう」で手放してもいいのでは? 『しがらみ』は人と人の間にもある、すぐには抜け出せないもの。 モノの『しがらみ』は、「ありがとう」で終わりにできるのです。 |
C捨てたら罰が当たるかもと思うと捨てられない |
お守りや人形などは「罰が当たるかも」と思うと捨てられません。 ですが、お守りは1年経てば効果が切れると言われています。 そうしないと、新しいお守りも売れません。 神社のモノは神社に、お寺のモノはお寺に、買ったところで捨てなくても大丈夫です。 お人形は『人形供養』をしてくれるお寺があります。 葬儀屋さんが新しい式場の集客イベントで人形供養をすることもあるので、チラシなどをチェックしておくといいでしょう。 さらに、『写真供養』というものもあります。 6月1日は写真の日とされ、日本各地で写真やカメラの供養を行っているところも。 写真組合に加盟している写真館に持って行けば、写真供養の日に合わせて送ってくれます。 近所の写真館では無料で送ってくれますよ。 思いが強い写真、思い出のカメラなど、人の顔や姿が映るだけに気にしてしまう方も多いのが現状。 しかし、「そこまでは気にならない」と思う方は自治体が指定したゴミの日に、お塩をかけた写真を白い紙で包み、それを紙袋に入れ、天気のいい日にゴミとして出すのもいいでしょう。 なにごとも気持ちの持ちようです。 「ありがとう」の気持ちを捨てるモノに込めて、丁寧に処分してあげてくださいね。 |
D売る、あげるも考える |
捨てることに罪悪感があって捨てられない方は多いでしょう。 「捨てるのはモノを粗末に扱ったことになる」と思う方も。 お金が欲しいわけではなく、引き取ってもらえば罪悪感が無くなくなることで、リサイクルショップに持って行く方がいます。 悲しいことに、あなたにとっていらないモノは他の人にも必要ではないケースが多いです。 「他の人に大切にしてもらえるかも!」と期待して持って行くとほとんど期待はずれです。 洋服は1〜2年、家具などは2〜3年まではいい値段が付くと言われています。 ブランドモノでも、状態のよさやシリアルナンバーの有無で引き取りを決めるリサイクルショップが多くなってきました。 インターネットからダンボール箱を取り寄せて中身を詰め、宅配業者に電話をすれば、着払いで引き取ってくれるサービスを利用してはいかがでしょうか。 本は重たい上に、近所の古本屋さんがなくなったので、私はもったいない本舗 を利用しています。 ダンボールと一緒にガムテープやボールペンも付いてきて、電話の対応も優しいため、「金額より、リサイクル!」と思って出しているんです。 以前アマゾンで買った中古本が「もったいない本舗」のものだったので、「私の本も誰かが読んでくれたのかな」と思ったことも。 その他にも、リサイクルではありませんが、洋服をあげるならこんなところがあります。 フクサポ 外国では着なくなった服をリサイクルボックスに入れて、好きに持ち帰っていいようになっています。もちろん送料を負担する必要はありません。 日本としても、自治体全体で考えるべきだと思います。 |
原因と対策 3:片付け方がそもそもわからない
そもそも、片付け方が分からない人もいます。 どこからやればいいのか。 何からやればいいのか。 「この部屋を片付けたい」と言われて見てみると、床にモノが溢れていて ほとんど処分しなければ、結構な量をどこかに移動させることになります。 お客様は上手な片付け方が分からないから、ご依頼してくださるのです。 |
@片付けは実は大きなところから |
よく、「小さなところから…」と言う方がいます。 整理収納の練習にはなるでしょう。 本当に片付けるなら、小さなところからやっても一生家は片付きません。 倉庫、押し入れ、バントレーなど、大きなところから小さなところへ片付けていきましょう。 その場所のいらないモノが無くなり、空間が空けば次の場所へ。 使わないけどちょっと迷うモノ、この部屋では置きたくないけど他にないモノが移動していきます。 そして、本来あるべきモノがその部屋の収納に収まっていきます。 人生を変えられたA様 部屋を片付けたいということで見せていただくと、収納容量の5倍くらいのモノが溢れていました。 「捨てるモノもあるけど、半分はいるモノです。」 「他に、それらを移動する場所はありますか?」 「じつは、2階の部屋が1部屋・・・」見せていただくと、最初に見た部屋の2倍近くのモノが。 お客様は2階の部屋が一生片付くことはないと諦めておられ、見せることにも大変迷っていたのです。 「この部屋からやりましょう」 一生片付かないと思っていた部屋は1日で片付きました。 お客様の目標が明確に決められており、ジャッジが早く、サクサクとスピードよく片付いていったからです。 何回目かのご依頼の際に 「松本さんが2階の部屋から片付けましょうと言ってくれてよかった!あの部屋からやった意味がよく分かりました」 と言ってくださいました。 |
Aモノのグループ分けが出来ない |
要らないモノが無くなって「使う」と決めたモノが残ったら、グループに分けていかなくてはなりません。 片付けの苦手な人はモノのカテゴリー分けや、使うときの仲間分けが苦手な方が多いです。 それぞれを使う便利な場所に収納できればゴール。 いるモノといらないモノを分けながら、同時にグループ分けをします。 家族の動線を考え、「一番使いやすく、戻しやすい場所」に収納していきます。 |
原因と対策 4:「使ったら戻す」が出来ない
@「片付ける」ってどういうこと? |
そもそも「片付け」とは、どういうことでしょうか。 片付けとは「元の場所に戻すこと」です。 整理してモノを分けたら、収納で使いやすく戻しやすい場所に納めます。 ここまでが整理収納です。 片付けはその場所に戻すこと。 これは、生活している人にしかできません。 しかし、使っていると 「あれ?ここは使いにくい」 「こっちの方が使いやすいな」 と思うことも。 それはやっぱり生活していかないと、分からないことです。 生活の変化、年齢の変化、家族の成長によっても場所が変わっていきます。 そして、少しずつ家の中はモノも減り(年齢を重ねるごとに減らしたいものです) 使うモノも変わってくるはずです。 |
A使ったら戻すは慣れるまで3か月 |
「使ったら戻す、使ったら戻す、をちゃんとしたら3か月で3キロ痩せたました〜」 そう笑って話すお客様がいました。 「松本さんに出会って初めて“片付ける”の意味が分かりました」 と、言ってくれた方です。 初めての片付けから半年ごとにご依頼いただき、そのたびに部屋もご自身もきれいになっていかれました。 仕事を始めたばかりの私たちの励みにもなったお客様で、今でも忘れられません。 いつもお客様に支えられ、勇気をもらって仕事をしています。 片付け方もマスターし、最後に伺ったときは模様替えもされ、まったくリバウンドもしていません!きれいな部屋もキープされていました。 使ったら戻すことのメリットや便利さ、きれいさが分かり、気持ちよさが当たりまえになった。 反対に、それが崩れたときはちょっと嫌な感じ…。 少しだけ、もやもやとした嫌な気持ちになることが大切なのです。 散らかっている部屋が「不快だ」と感じられるようになれば、素晴らしい! 片付け体質の完成です。 |
原因と対策 5:性格とその人の特性
今では仕事としてお客様の家を片付け、講演会やセミナーでお話しをさせて頂いている私。 じつは、片付けが苦手でした。 姉妹はみんな整理整頓が上手でしたから、親のしつけの違いでもなさそうです。 ただ、末っ子だったので、誰かが片付けてくれていたような気がします。 |
@散らかっていても気にならない性格 |
何でも面倒に思う性格の方は、使ったモノを元の場所に戻すことができず、いつまでも片付けられません。 又すぐに使うし 明日使うし 近いうちに使うし そう言っていては、いつまでもモノは出しっぱなし。 取り出しやすく納めやすい場所に収納すれば、自然とモノは片付いて行くはずです。 また、1番困るのはごみを出さない人です。 ゴミをすでに袋に入れているのに、出していない方もいました。 ゴミはこまめに出さないと、出すことも面倒になります。 床も見えないゴミ屋敷で「ゴミや不要なモノをごみ袋に入れては出す」を繰り返し、伺い始めて5日目くらいには、ほぼ荷物のないすっきりした部屋になりました。 散らかっていてもあまり気にならない。むしろ、モノに囲まれて安心する人もいます。 だけど、家の中がモノだらけでは探すのに手間がかかる。 探せなくてまた買ってしまうといった悪循環が生まれます。 |
AADHDという個性がある方 |
自分の気持ちはあるのに片付けられない、本人のせいじゃないことで苦しんでいる方がいます。 最近はご依頼いただくと、「私、ADHDなんです」とはっきり言われる方も少なくありません。 ADHDの特徴としては ・忘れ物、なくしものが多い ・時間管理が苦手で遅刻が多い ・順序だてて物事を行うことが苦手 ・人が簡単にできることでもミスをしてしまう ・今日行くところ、行動を忘れてしまう ・そわそわして落ち着きがない。 ・空気を読めず思ったことをすぐ言ってしまう。 ・仕事などのうっかりミスがある 自分も当てはまるな、と思われる方も多いのではないでしょうか。 私にも当てはまりますし、周りを見てもそんな人は多いと思います。 まったく当てはまらない完璧な人は、いないんじゃないかな。 その度合いの強さの差だと思います。 子供の頃から忘れ物が多くて、よく叱られていたんです。 会社に行っても、どうしても書類をうまく綴じられなくて困った。大人になってADHDの人の本を読んで自分がそうだとやっと分かりました。 そう言うお客様は、会社をいくつも経営されている社長さんでした。 エジソンやアインシュタイン、坂本竜馬など、最近では歌手のSEKAINOOWARIの深瀬さんも自ら公表しています。 |
BADHDの人の片付けアドバイス |
そんなADHDの人の片付けには、苦手なところをカバーしながら、意識して生活することが必要になってきます。 「モノを多く持ちすぎない」 管理できないのにモノが多すぎる人がいます。 意識が移ってしまい、行動に集中できない人は、モノを少なくして自分を楽にしてあげましょう。 様々なグッズを持つことは便利かもしれませんが、数が多いとADHDの方は不便になるようです。 「今日やることをメモに書く」 予定していた行動が中途半端になり、あちこちやっては終わらない。そんな方は、ぜひメモを書くようにしてみてください。 優先順位が行動と合っていないので、やるべきことはメモに残しておくといいでしょう。 仕事でもプライベートでも、「やらなくちゃ!」と思ったことはすべて紙に書き、優先順位をつけて、終わらせた順番に線を引いて消していきます。 メモは1日持っておけば、見直したとき「クリーニングを取りに行くんだった」と思い出せるのです。 じつは私もやっていて、多くのやることを先延ばしにしてなかなか進まない時は、メモを書けば意外と進むんですよ。 「完璧を目指さない」 片付けていて感じるのですが、「苦手だ」と言いながらもすごく細かいことまで決めて、難しくしていく方がいます。 例えば細かくカテゴリー分けして、小さい引き出しに分けたがる傾向が。 小さい引き出しだと開ける回数も増える上、戻すのも細かすぎて継続できません。 きっと「完璧にしないといけない」と思って気合が入るのでしょう。 片付けも「今日は10個だけモノを片付ける」「15分だけ気になるところをやる」など、ハードルを下げてみるのもいいと思います。 「抱え込まないで人に頼む」 何でも全部自分で抱え込まないのが1番です。 やるべきことを書き出したら、人に頼めそうなことはお願いしてみましょう。 家族や友人など、あなたを理解してくれている人がいれば、きっと手を貸してくれるはずです。 「分かりやすくする工夫」 例えば、紙類の整理が苦手な方は多いと思います。 一旦紙を入れておけるような入れ物を、家の中のすぐに入れられる場所に作ります。 週に1回は中身を見直し、閉じるモノは閉じる、捨てるモノはゴミ箱に。 ポイントは1か所に決めて置くこと。 あちこちに置くと分からなくなるのです。 例えば、閉じられそうな領収書などは小さな袋に仕分けしておきます。 同窓会のハガキは出さないといけないので、よく目にするコルクボードなどに張り付けておきます。 ダイレクトメールや割引きのハガキは、行かない場合は期限切れの場合は捨てましょう。 まだどちらでもないモノは、その箱に入れて置けばいいのです。 週に1回見直せば、いつか便利な場所が決まるはず。 引き出しや棚などに、入れるモノを決めたらラベルを貼る。 そして、そこに戻すようにすれば、置き場が分からなくなりません。 「中身が分かるように透明な容器に入れる」 冷蔵庫の中の食べ物など、透明な容器に入れて分かるようにしましょう。 けれども、どこにあるか1番分かりやすいのは「モノが少ないこと」。 収納の究極は「使っているモノの量をコンパクトにすること」に尽きるわけです。 |
Cうつで片付けられない方 |
「精神的に色々あり、こんな部屋になりました。今は治ってきて片付けができそうなので、お願いします」というのは、大変多いご依頼です。 そう話される方も、お聞きする方も「よかったですね、少し元気になられて」と普通に言える時代になりました。 片付けだけでなく、色々なことが億劫でやる気にならないこともあります。身の回りのことに興味が無くなり、どうでもよくなります。 また、「片付けなきゃ」と思っても順序だてて計画することは困難で、家のことをしても集中力が切れてしまうようです。 「治り始めてやる気が出てきた」「今ならできそう」と思っても無理はだけはしないでほしいのですが、ぜひ取り組んでいただきたいのが片付けです。 1日目はどうにかできたけど、張り切りすぎて2日目はお休み・・・なんてこともあります。 心と身体のバランスを見ながらやっていきましょう。 美しく変わった場所が見えてくると、俄然やる気になります。 アドバイザーの仲間には「うつ」で通院していた方もいましたが、この仕事のお手伝いをするようになって改善しました。 最初は手伝い程度でしたが、だんだん面白くなってきたようです。 とくにゴミ屋敷系のお宅の激変ぶりが気持ちよく、気が付けば症状も改善されて元気になりました。 片付けはモノだけではなく、心にも多くの効果があると思っています。 |
ま と め |
今回は、片付けができない方に多い原因を5つご紹介しました。 それに対してのアドバイスもさせていただきました。 困っている。悩んでいる。 そんなあなたのヒントになったでしょうか。 私はこの仕事を始めるとき、先輩に「片付けが苦手だったのに、この仕事をしていいのかな」と聞いたことがあります。 そのとき先輩が、「だからこそ、松本さんはいいんじゃない。できない人の気持ちが分かるから」と答えてくれました。 「そうか、私でもできるようになったんだから、きっとお客様もできるようになる!」。 そう思ったのがきっかけで、この仕事を始めようと思いました。 人生で一番大切なことは健康、家族、仕事、お金、人間関係など、さまざまな要素があります。 その中でも『片づけ』の優先順位は下の方でしょう。 しかし、今日からでもすぐに自分1人でできること。 そして、すぐに結果を得られること。 それが『片付け』なのです。 モノと向き合えば、自分の心も見えてくる。 迷いながら決断することができれば、自信がつきます。 「部屋がきれいになって気持ちいい」 それよりも、頑張って下した選択や決断は、もっと気持ちのいいことなのです。 |